最近の台湾茶 輸入事情

ご無沙汰しております。


なかなかコロナの感染状況も先が見えませんね。


お客様の中には

当店のラインナップに

2021年の冬茶が上がっていないことや

2022年の春茶の様子を気にされている方もいらっしゃるようですので

以前、Twitter で少し触れた

台湾茶の輸入状況について少しお話させて下さい。



私たちの仕事


輸入商品である台湾茶を

皆様の元へ『食品』としてお届けするためには

・安心して口に入れて良い

ということを証明するために

『食品衛生法』にのっとっている証明として

検疫を通し

さらに

・正規の輸入手続きを踏んだ

という証明として

関税を納める必要があります。

詳しくはこちら↓


ご存じの方も多いかと思いますが、

私たちのお店は

鹿谷郷の小さなお茶屋との友情で作ったお店です。


とても規模の小さな商売をしているため

輸入の取扱量も小さく

1回に最大40kg程度の輸入量のため

輸入に関するコストを安くするために

『自分で運んで検疫通関処理を行う』

という方法をとっていました。


ところが

コロナ禍により

『自分で運ぶ』

ということが不可能になってしまいました。


業者に委託するとどうなるか

そのため

各種手続きを含めて

誰かにお願いし 


台湾側で出荷

私どもで荷受け 


という作業をしようと各方面に当たってみました。

ただ、どうしても小規模の荷物ですと引き受けてもらえないもしくは

かなりの割高になってしまいます。


何とか知り合いを通じて

ご協力いただける業者を見つけ

2021年の春茶に関しては輸入をする事が出来ました。

・・・コストを考えるとかなり厳しい状況でしたが。。。


ただ、

私どもの願いとしては

台湾茶の入り口として

上質なものを皆さんの元に届け

台湾の風を感じていただきたいということですので

ある程度コストがかかっても・・・との思いでした。


命令検査という壁

しかし、事態がかわる出来事が起こりました。


輸入検疫の際に

台湾茶の場合は

残留農薬に関する検査は

過去の実績から全例検査では無く

一定のランダムサンプリングによる検査のみが行われていました。

(ちなみに大陸の烏龍茶は全例検査対象です)


ところが、

そのサンプリング検査で

カルバリルという農薬にかんして

基準値を超えるものが複数観測され(もちろん私たちのものではありません)

その結果

台湾茶に関しては

ある一定数(具体的には教えてもらえませんが100例程度といわれています)の

『基準値以下』が連続して観測されるまで

『全例 強制的に検査』

となってしまいました。

これを『命令検査』といいます。


ちなみに

基準値を超えたのもわずかで

健康被害が及ぶ量ではありません。

基準値を超える訳

今回の一件について、当事者では無いため詳細はわかりませんが

・輸出時の台湾側の基準値と日本の基準値が違う

というのが大きな要因と思われます。

ただそれ以外に

・安価な茶葉を求められるあまりベトナム産など台外産が混ぜられる

・雨不足の影響で残留量が想定より増えた

などの問題があるかも知れませんが

これらのことは、今回は詳しくは触れません。。。

命令検査の内容

命令検査となると

検疫の際、『ボンド』という場所に荷物を留置し(詳しくは以前のコラムを)

そこから600g〜800g 程度の検体を取ります。

・・・加工法が変われば全ての種類(炭香・紅水醇香など)すべてについてです

そのサンプルを指定された検査機関で検査にかけます。

もちろんその費用は輸入者負担です。

結果が出るのに数日かかりますから

ボンドに留め置く期間も長くなり留置費用も負担する必要があります。

輸入コスト

こうなると

紅水醇香のように

そもそもの輸入量が多くないものについては

かなりの割合が検査に消えます。

結果として

商品価格に跳ね返ることになってしまいます。

台湾茶の入り口を目指しているのに

高額商品ばかりでは

本末転倒でもあります。。。

苦渋の決断

前回、ご協力いただけた輸入業者さんに混載をお願いするのができなくなったことも重なり

今回の命令検査を受けて

2021年冬茶の輸入は諦める。。。という結論に至りました。


劉さんからはサンプルをいくつも送っていただき

自分だけが楽しんでいるのが申し訳ない気持ちでしたが。。。


そして

この春茶の状況も

輸入環境については変わりが無く

命令検査が解除されるのを待つしかありません。。。


事業拡大ができて取扱量を増やせる

協力いただける輸入業者を見つけることができる

というようなことがあれば命令検査期間中でも輸入再開できると思います。

なんとか可能性を探っていくしかありません。


コロナ禍にしろ

命令検査にしろ

明けない夜は無いと信じております。。。


近い将来

また皆さんの元へ

台湾の風とともにお茶をお届けしたいと思います。


それまでの間

しばらく

お待ちいただきますよう

よろしくお願いいたします。



weiren tea 維仁茶坊(ゆいじんちゃぼう)

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