鹿谷郷からの贈り物|紅水醇香

烏龍茶と聞いて、最初に思い浮かべる【色】はどんな色でしょうか?

おそらく

ペットボトル飲料の烏龍茶から

「茶褐色」に近い色を思い浮かべるのではないでしょうか?


しかし

凍頂烏龍茶や高山茶のような清香系の台湾茶は

澄んだ緑がかった黄金色をしていて

初めて見た方は

「本当にこれが烏龍茶なのか?」

と思われるかもしれません。



烏龍茶は

茶葉に

萎凋(しおれさせる作業)

做青(こすれ合わせてポリフェノールと酸化酵素を接触させる)

殺青(酸化酵素を失活させる)

揉捻(茶葉の細胞壁を壊して茶質の抽出をしやすくする)

乾燥・焙煎

という加工を施して作られます。


この萎凋と做青による発酵(厳密には微生物によらないので酸化反応)の程度と

焙煎の有無により

水色が変化します。

***上の写真の「清香」では萎凋と做青を5回ほど繰り返しています。


凍頂烏龍茶に多く用いられる「青心烏龍」という品種は

発酵により花や果物に例えられる香気成分が強調され

軽く火入れがされることで味わいに厚みが増します。


最近は

高山茶に代表されるような

火入れをしない、もしくは軽めにした

爽やかな印象の「清香系」のお茶が好まれていますが

伝統的な凍頂烏龍茶では

萎凋〜做青の工程を10回程度まで増やし

焙煎も強めにかけることで

発酵によって生まれた深みのある甘みと香り、そして

厚みのある喉ごしのあとに湧き起こる心地よい焙煎香をまといます。



水色は美しい紅褐色となり

紅水烏龍茶とも呼ばれます。


しかしながら

萎凋〜做青の工程は、茶葉を傷つける工程でもあるため

茶葉が痛みやすく雑味や渋みが出る原因にもなります。

手間がかかる上に商品として取り除かれる痛んだ茶葉も多く

いわゆる歩留まりの悪い商品という訳です。


同じ原料で

加工にかかる手間と時間は倍以上、

最終的な商品としては清香の2〜3割減

ともなれば、作らなくなるのは当然と言えば当然ですね。。。


ただ

鹿谷郷には未だにこの技術を守り

作り続けている方々がいます。


私の茶の師匠、林さんもその一人。


普段はあまり作らないという伝統製法の凍頂烏龍茶ですが

林さん、劉さんと私で作った維仁茶坊のために

日本人に飲ませてくれ!

と作ってくれた

凍頂烏龍茶 伝統(紅水醇香)

ぜひ、一度ご賞味下さい。。。


じっくりと味わっていただくには

蓋碗でお茶を煎れていただく事をオススメします。

煎れ方については

あるきちさんが動画でわかりやすく解説してくださっているので

こちらからどうぞ。

私は一人でゆっくり楽しむときには

小さめ(100ml前後)の蓋碗とガラスカップで楽しんでいます


通販で手に入るオススメの蓋碗と一人飲みに適したカップ

維仁茶坊の通販ページ


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皆さんにとっての台湾経験を0から1に変えることができるきっかけになれば幸いです。                                         

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